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最近度々耳にする「ケラチントリートメント」というキーワード。髪がツヤツヤになる、くせ毛が治る、髪質改善できるなどいろいろ言われていますが、実際のところ効果はあるのでしょうか？
実のところ、ケラチントリートメントにも色々な種類があり、成分や仕組み、効果やメリット・デメリットが種類によってかなり違うんです！
はじめまして、髪質改善美容室IDEAL高田馬場のオーナーを務める久保と申します！
僕は美容師歴20年、今も現役で毎月何百人ものお客様の髪と向き合っています。
今回はそんな髪質改善のプロとして、「ケラチントリートメントの効果」についてしっかり解説いたします。
この記事を読めば、以下のような疑問がきれいに解消するはずです。
なお、ケラチントリートメントの概要を全体的に知りたい方は、以下の記事を先に読んでみてください！
【参考記事】
ケラチントリートメントとは？
ケラチントリートメントとは？ ケラチントリートメントの種類・成分と効果・持ちの違い
まず、ざっくり説明すると、ケラチントリートメントとは髪の主成分である「ケラチン」を使用したトリートメントのことです。
しかし、そのケラチンにも種類があり、使用するケラチンの種類などによってトリートメントの効果は大きく変わります。大きく分けると、「ケラチントリートメント」には次の3種類があります。
- 低分子活性ケラチン（+ 酸熱トリートメント）
- 低分子ケラチンの凝集結合
- その他（低分子ケラチン+コーティングなど）
このうち、一般に美容室で「ケラチントリートメント」と呼ばれるのは①のタイプです。『低分子活性ケラチン』がキーワードですね。
最近多くの美容室で「髪質改善」というメニューが増えていますが、この低分子活性ケラチンを使ったケラチントリートメントが髪質改善の手法として使われていることもよくあります。
ちなみに、当店の髪質改善メニューもその一種と言えますね。
「低分子活性ケラチン」とは、反応性（活性）を残したまま小さな分子に分解した、特別なケラチンのことです。髪の内部にまで浸透し、反応して髪の毛自体と結びつく性質を持っています。
低分子活性ケラチンを使用していない②や③のタイプは、最近流行しているケラチントリートメントとは異なるものです。
反応性を持っていない「加水分解ケラチン」などを使用したトリートメントのことで、従来からあるものですね。
②は、特別な反応性を持たせた加水分解ケラチンにアミノ酸などを結合させ、髪内部で高分子に変えるタイプのトリートメントです。「TOKIOトリートメント」などで使われている手法で、こちらもダメージ補修力は高いです。
【参考記事】
TOKIOトリートメントとは？
③は安いサロントリートメントや市販のトリートメントでよく使われているものです。加水分解ケラチンなどが入っていてダメージ補修などに一定の効果がありますが、効果の持ちはあまりよくありません。
③や④のタイプはいま流行中の “髪質改善ができるケラチントリートメント” とは異なるものです。
しかし一般の方はもちろん、美容師でもそのあたりの認識がきちんとできていない人も多いので、間違って使用されている場合があります。注意しましょう。
以上を踏まえ、ここからはさらに詳しくケラチントリートメントの効果を解説していきます。なお、ここからしばらくはサロンで使われる「低分子活性ケラチン」を使ったケラチントリートメントについて解説していきます。
なお、市販ケラチントリートメントの効果は後半で解説していきます。
また、ケラチントリートメントの種類や分類についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください！
ケラチントリートメントの仕組み・成分と効果・持ち
低分子活性ケラチンを使用したケラチントリートメントの効果を端的にまとめると、次の通りです。
なぜこのような効果が得られるのか、その仕組みとともに、詳しく解説していきます。
ケラチントリートメントの仕組みと成分・効果
前述の通り、低分子活性ケラチンは反応性を保ったまま小さく分解された特別なケラチンのことです。
通常のケラチンは大きな分子であるため、髪の内部にまで浸透できません。そのため、小さな分子に分解する必要があるのですが、通常使われる「加水分解」という方法で分解すると、反応性が失われてしまいます。
（なお、②や③のタイプで主に使われているのが加水分解ケラチンです。）
そこを改良して作られたのが低分子活性ケラチンで、反応性を保ったまま低分子化しているため、髪の内部に入り込んで、ダメージを受けたケラチンと結びつくことができます。
髪の主成分であるケラチンと同じ成分が直接結びつくので、髪の毛と一体となって高い補修効果・持続力を示すのです。
髪の内部ダメージが補修され、毛髪強度が回復。ヘタった髪もハリコシのある美髪になります。
また、お店によっては「レブリン酸」や「グリオキシル酸」などといった「酸熱トリートメント」で使われる成分を配合している場合もあります。
これらの成分はアイロンの熱と反応して髪内部に「イミン結合」という結合を新たに作るため、さらに髪の強度をあげてくれます。
アイロンで髪のクセを伸ばした状態で内部の結合が増えるので、髪の毛のクセ・うねりをさらに抑えられるのです。
ケラチントリートメントの持続期間（持ち）と施術頻度
低分子活性ケラチンを使用したケラチントリートメントは、だいたい2〜３ヶ月ほど効果が持続します。ただし、元々のダメージがひどい場合などはもっと早く効果が切れてしまう場合もあります。
ケラチントリートメントを効果が切れる前に繰り返すと、髪内部の結合がどんどん増え、より強固になっていきます。そのため、繰り返すほどに持ちはよくなります。
サロンで施術してもらったケラチントリートメントの持ちをよくするためには、アミノ酸系など洗浄力が強すぎないシャンプーを使うのが効果的です。
ケラチントリートメントのメリット・デメリット | 縮毛矯正や普通のサロントリートメントとの違い
以上の通り、低分子活性ケラチンを使用したケラチントリートメントは非常に魅力的ですが、デメリットもあります。まずは簡単にメリットとデメリットをまとめてみましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
ケラチントリートメントのメリット
ケラチントリートメントには
といったメリットがあります。
まず1番は、内部ダメージの補修や毛髪強度の改善効果がかなり高いことです。髪の主成分であるケラチンを補充し、しかも髪の毛と直接結びつくので、ダメージやエイジングの影響でヘタってしまった髪の改善には非常に効果的です。もともと髪が細く、軟毛に悩んでいる方にもおすすめですね！
2つ目のメリットが、トリートメントなのにくせ毛・うねりの改善ができることです。
クセ・うねりの改善に通常使われる縮毛矯正やコスメストレート、ストレートパーマなどは、「酸化還元反応」というものを利用し、髪内部の結合を一度切って、ストレートの状態で再結合することでクセを直します。クセを伸ばす力は強いですが、仕組み上必ず髪にダメージがあります。
一方で、ケラチントリートメントは「酸化還元」を用いず、新たな結合を増やすことで髪の形状をストレートの状態で固定する仕組みです。そのため、ダメージがあるどころかむしろ、ダメージを補修しながらクセを伸ばせるのが大きなポイントですね。
また、普通のサロントリートメントと比較して持ちが良いのも嬉しいポイントです。前述の通り、2〜3ヶ月は効果が持続します。
ケラチントリートメントのデメリット
そんなケラチントリートメントにも、デメリットがあります。次の通りです。
1番のデメリットは剛毛・髪が太い方には効きにくいことです。剛毛でしっかりしている髪は、もともとケラチン量や結合の数が多いです。そのため、ケラチントリートメントをしたところでケラチン量や結合の数があまり増えず、あまり効果が発揮できないのです。
そしてもうひとつ気をつけたいのは、他の施術への影響です。これは使用する薬剤の種類によるのですが、以下のような影響が出る場合があります。
- 染めているヘアカラーが落ちてしまう
- しばらくはその後のカラーが染まりにくくなる
- 効果が切れるまで縮毛矯正ができなくなる
特に、酸熱成分の「グリオキシル酸」という成分を使っている場合は顕著です。グリオキシル酸を使うとしっかりクセを伸ばせるなどのメリットもありますが、このような影響が出やすくなるので注意する必要があります。
また、商品によっては、タンパク質系のにおいやリンゴ系のにおいが数日〜1週間程度残ってしまう場合があります。
サロンのケラチントリートメントはどんな人におすすめ？
以上を踏まえると、ケラチントリートメントはどんな方におすすめなのでしょうか。以下のどちらかに当てはまる方には、非常におすすめです。
特に、縮毛矯正よりナチュラルにクセを伸ばしたい方や、根本的な髪質の改善をしたい方におすすめです！
IDEALオリジナルのケラチントリートメント『髪質改善ヘアエステ』
一例の紹介も兼ねて、当店オリジナルのケラチントリートメントメニュー『髪質改善ヘアエステ』について少し紹介させていただきます！
髪質改善ヘアエステは、日本ではまだほとんど導入されていない世界一の欧州産活性ケラチン原料を使用したケラチントリートメントです。ていねいにヒアリング・カウンセリングを行い、お客様の髪の毛に合わせたオーダーメイドのトリートメントを作り、髪質の悩みを解決します。
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クセを自然に伸ばし、ダメージやハリコシを改善。艶やかな美髪へと甦ります！
市販ケラチントリートメントの効果・持ち | 正しいやり方や注意点も解説
通販などで「ケラチントリートメント」と市販されている商品は、前述の通り「加水分解ケラチン」やその他ケラチン由来の成分などを配合したトリートメント商品です。
基本的に反応性は持っておらず、ダメージを受けた髪の内部に充填または吸着され、表面をコーティングすることで効果をある程度持続させます。
ダメージ補修やハリコシ・ツヤの改善などの効果はありますが、サロンのトリートメントと比べると持ちはあまりよくありません。持続力の目安は数日〜2週間程度です。また、くせ毛の改善効果はほとんど期待できないでしょう。
サロントリートメントと比較したら効果はだいぶ劣りますが、市販のケラチントリートメントがダメな商品というわけではありません。そもそも、加水分解ケラチンも効果的な補修成分であることは確かで、そのほかにも良質な成分を含んだ商品なら一定の効果が期待できます。
なお、ケラチントリートメントをセルフで行う場合、アイロンを使うので間違った使い方をするとかえって髪を痛めてしまう恐れがあります。説明書をよく読み、正しい使い方をしましょう。
また、市販品の場合は髪の毛と結合したり、凝集結合して高分子化するなどの反応性は持っていないため、ダメージがあまりにひどいとほとんど改善できずすぐに落ちてしまう場合もあります。
セルフで市販ケラチントリートメントをする方法
市販品のケラチントリートメントを使ってセルフケアする場合、正しい使い方を守ることが大切です。次のような手順で行います。
まず、しっかりとシャンプーして汚れやコーティングを落とします。髪の内部にトリートメントが浸透しやすくするためです。
シャンプー後はしっかりとタオルドライして余計な水分を切っておきましょう。トリートメントが薄まってしまうのを防ぐことができます。
続いて、ケラチントリートメントをまんべんなく塗布します。無理に根本付近まで伸ばす必要はないので、頭皮につかないように毛先〜中間部分を中心に塗布しましょう。
全体につけたら、10分前後放置します。放置時間も説明書等をよく読んで、必ず記載を守りましょう。
放置が終わりシャワーで流したら、よく拭いてドライヤーで完全に乾かします。アイロンを使うので、生乾きは厳禁です。
【参考記事】
ドライヤーの正しい使い方
完全ドライができたら、ストレートアイロンの熱でケラチンを定着させます。市販品のケラチントリートメントはそこまで高温を必要としないので、設定温度は130〜150℃くらいを目安にしましょう。
【参考記事】
ヘアアイロンの正しい使い方
以上が基本的な使い方です。商品によって多少変わる場合があるので、必ず取扱説明書を読んでから行うようにしてください。
おすすめの市販ケラチントリートメント
通販購入できる市販ケラチントリートメントなら、マテリノートの「アミノミックスPPTプロ」がおすすめです。
もともとサロン向けに開発していたものを一般販売することにしたそうで、加水分解ケラチンの他にもヘマチンやキトサン、18MEA、エルカラクトンなど優秀な成分を多数含んでいます。
また、想像するようなケラチントリートメントとは少し違うかも知れませんが、「TOKIO IE」シリーズのシャンプー&トリートメントもホームケアとしては非常に効果的です。
サロンのTOKIOトリートメントと同じ特許技術「インカラミ反応」によりしっかりとダメージ補修できます。
なお、こちらは集中ケア商品ではなくシャンプー・トリートメントなので、サロントリートメントや先ほど紹介したマテリアートの集中ケアと併用するのもとてもおすすめです。
なお、TOKIO IEシリーズについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください！
また、おすすめの市販ケラチントリートメントは以下の記事でもっとたくさん紹介していますので、興味がある方はこちらも合わせてご覧ください！
ケラチントリートメントの効果・持ちに関するQ&A
最後に、お客様から寄せられたケラチントリートメントの効果や持ちなどに関する疑問にお応えしましょう。
Q. ケラチントリートメントは痛むって本当ですか？
A. 正しく行えば痛みません。
ケラチントリートメントはきちんと行えば痛むものではありません。ただし、気をつけるべき点も多数あります。
グリオキシル酸などの酸熱成分が配合されたサロンのケラチントリートメントは、正しい毛髪診断が必須な施術です。また、かなり高温のアイロンワークを要する商品もあるので、診断ミスや施術ミスがあると非常に大きなダメージとなる場合があります。
特に、他店で縮毛矯正を行なっている場合は必ず担当者にその旨を伝えておきましょう！
市販のケラチントリートメントも前述の通り、使い方を間違うとかえって痛んでしまう場合があるので注意しましょう。
Q. 市販のケラチントリートメントは効果ありますか？ くせ毛は治りますか？
A. 一時的なダメージ補修にはある程度効果があります。くせ毛の改善は難しいです。
6章で解説した通りですね。反応性・持続性を持ったサロントリートメントにはだいぶ劣りますが、市販のトリートメントとしては効果が高い方だと思います。
ただし、それよりは
などをしっかり行う方が効果が高く、結果的にコスパよく美髪になれるかと思います。詳しくは以下の記事をご覧ください！
Q. 美容院のケラチントリートメントの料金相場はどのくらいですか？
A. 5,000円〜30,000円とかなり幅広いです。
「低分子活性ケラチン」を使用したケラチントリートメントなら、安くても10,000円以上はするはずです。
正直なところ、低分子活性ケラチンはまだ日本でそれほど広まっておらず、正しい理解とスキルを持って施術できる美容室は全国でも限られています。
高品質な原料を使ってこだわりを持った施術を行なっている店舗なら、15,000円以上するお店が多いかと思います。
Q. 美容院のケラチントリートメントの施術時間はどのくらいかかりますか？ 施術工程は？
A. お店によってかなり違うと思います。当店の場合はトリートメントだけで2時間〜2時間半ほどお時間をいただいております。
工程数や施術時間はお店によってかなり変わります。当店の場合、ざっくり説明すると以下のような工程になります。
このようにトリートメントの効果を最大限高めるため、多数の薬剤を使用し時間をかけて施術していきます。詳しくは以下の記事をご覧ください！
Q. 美容院でケラチントリートメントをしてもらいましたがくせ毛が伸びませんでした。縮毛矯正してもらうことはできますか？
A. できない場合があります。プロに相談してみましょう。
前述した通り、ケラチントリートメントの種類によっては成分が髪に残っていると縮毛矯正ができない場合があります。ぱっと見では判断が難しいため、プロに相談してみましょう。
ケラチントリートメントはくせ毛や軟毛の悩みに最適なトリートメント
近年流行しはじめている低分子活性ケラチンを使用したプロのケラチントリートメントは、軟毛・ダメージ・エイジング・くせ毛などの悩みの改善に非常に効果的なトリートメントです。
髪の毛の主成分であるケラチンが髪自体と結びつくので、根本改善にかなり近いケアができるのです。
ただし、同じケラチントリートメントと呼ばれていても成分・効果がかなり異なるものも中にはあるので注意が必要です。市販のケラチントリートメントも一定の効果はありますが、プロ用とはまったく違うものなので、その点は理解した上で使用しましょう。
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